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録画 ビデオ 高裁判例下級裁判例。平成1(う)1297 児童福祉法違反被告事件のトップ


         主    文     本件控訴を棄却する。
         理    由 本件控訴の趣意は、弁護人菅田文明作成の控訴趣意書に記載されているとおりであるから、これを引用する。
 一 控訴趣意中、原判決の、児童福祉法三四条一項九号にいう「児童を自己の支配下に置く行為」及び同法六〇条三項にいう「児童を使用する者」の解釈適用の誤りを主張する点について 所論は、要するに、原判決は、被告人が原判示ビデオ録画一本に本件児童を主演女優として出演させたことをもって、児童福祉法三四条一項九号にいう「児童を自己の支配下に置く行為」及び同法六〇条三項にいう「児童を使用する者」に当たると判断しているが、被告人が本件児童を原判示ビデオ録画に主演女優として出演させたのは、被告人と、本件児童の所属するプロダクションとの間の契約によるものであり、しかも、その契約は本件児童をビデオ録画一本に出演させるというものであって、被告人と本件児童の間には雇用関係がないだけでなく、継続的な関係もなく、実質的に見ても、被告人は、本件児童を二日間にわたる原判示ビデオ録画撮りのうち一定時間しか拘束していないのであるから、原判決は、同法三四条一項九号及び同法六〇条三項の解釈適用を誤ったものであり、その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかであるというのである。
 <要旨第一>思うに、児童福祉法三四条一項九号にいう「児童を自己の支配下に置く行為」とは、児童を、使用、従属の<要旨第二>関係において、その意思を左右し得る状態の下に置くことをいい、また、同法六〇条三項にいう「児童を使用する者」とは、児童と継続的雇用関係にある者のみに限定されないが、少なくとも児童と雇用関係類似の密接な社会的関係において児童の行為を利用し得る地位にある者をいうと解するのが相当である。
 ところで、原裁判所が取り調べた証拠によれば、 (一) 被告人は、ビデオテープレコーダー用映像の企画、製作並びに販売等を目的とする株式会社Aの代表取締役として、同社の業務全般を統括していたものであるが、原判示ビデオ録画「あぶないセーラー服」の製作、販売を企画し、Bに脚本の作成及びビデオ録画の監督を委嘱し、Cプロモーションの名称でモデルや女優の有料紹介業を営んでいるDから売り込み方を持ち込まれていた同プロモーション所属の本件児童を、書類審査及び面接の上(面接は同社の製作担当者をしてこれを行わせたものである。
)、原判示ビデオ録画に主演女優として出演させることを決定し、Dとの間で、被告人及びDそれぞれにおいてその従業者を介して、本件児童をして株式会社Aが製作するビデオ録画一本に出演料八〇万円で出演させる契約を締結したこと、 (二) 株式会社Aは、右契約により、本件児童を女優として同社が製作するビデオ録画に使用し、同児童を指揮監督して演技させ得る地位及び権限を取得したこと、 (三) 株式会社Aの代表取締役であった被告人は、右地位に基づき右権限を行使する実質的な行為主体として、原判示ビデオ録画の監督を委嘱したBに対し、事前の企画段階や脚本原案の検討段階において具体的に指示を与えるなどしながら、前記の権限を、B並びに同社のビデオ録画製作関係者をして録画を行わせることによって行使したものであること、 (四) Bは、被告人の委嘱と指示、承認の下に、株式会社Aのビデオ録画製作組織の一員として、本件の脚本を作成し、録画現場において本件児童らを指揮監督して原判示ビデオ録画の演出等を行ったこと、 (五) 本件児童は、Dとの間の専属契約並びにDと株式会社Aとの間の前記出演契約により、同社が製作するビデオ録画に主演女優として出演することを義務付けられたものであり、本件児童もこれを承認し、同社が製作するビデオ録画一本に主演女優として出演するため同社の録画現場に赴き、Bの指揮監督の下に、原判示日時場所において、二日間にわたり、いずれも午前八時頃から午後一〇時頃まで、同社の製作関係者が事前に立てた録画予定表に従い、男優を相手にともに全裸で露骨な性戯、模擬性交などの猥褻な演技等を行ったもので、その場合、Bの指揮監督に従わずに逸脱するときは出演契約違反の問題も生じ得るものであったこと が認められる。

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